なんとなく新コーナーです。
物語途中で死んでしまうキャラを取り上げ、そのキャラの
生前の活躍などを省みてその死を悼もう、というのが主旨となります。
今回取り上げるキャラは『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』の
「レオーネ・アバッキオ」となります。
ブチャラティグループの中では、ブチャラティに次いでNo.2の
ポジションにいるようなキャラで、メンバーの良きお兄さんといった印象でした。
また、容姿のインパクト(カリメロのような卵カラ型の帽子、真っ黒な唇)や
初登場時のインパクト(後に詳しく記述)などからひときわ存在感のあるキャラでした。
それだけに、物語途中の死亡退場は悲しかった・・・!
その辺りのことにも触れつつ、アバッキオの人となりを見ていきましょう↓
アバッキオ基本情報
『レオーネ・アバッキオ』(21歳)
1980年3月25日生まれ A型 身長188cm
略歴 …高校を卒業してすぐ警察官となったが、まもなく汚職に手を染め
先輩を死なせてしまった事から自堕落な生活を送りギャングの世界へ入る
好きな映画 …「スリングブレイド」
好きな音楽 …モンテヴェルディ作「聖母マリアの夕べの祈り」
好きな食べ物…白ワイン(グレコ・デ・トゥーフォー)、ルッコラのサラダ、
ピッツァ・マルガリータ
嫌いなもの …なまいきそうなガキ、行列に並ぶこと
ヒーロー …アイルトン・セナ(F1ドライバー)
スタンド名…「ムーディー・ブルース」
アバッキオのスタンド能力は『過去の出来事』を録画したビデオのように
「再生(リプレイ)」することができる能力です。
スタンド「ソフト・マシーン」の謎を解くのに大きな役割を果たしたように、
敵の能力の正体を知ることが最も重要なスタンドバトルにおいて、
ブチャラティチームの中で彼の能力はかなり重要なものとなります。
また、応用次第で様々な使い方ができる融通のきく能力でした。
鏡のイルーゾォとの戦いでは、スタンドの腕を切り落とし、
腕だけリプレイすることで鍵(キー)を遠くへ運んだり、
サルディニア島へ行く際、前に操縦したパイロットのリプレイによって
飛行機を操縦することもできました。
戦闘向きではないですが、面白い能力です。
アバッキオの「任務」に向き合う姿勢は、ともすれば苛烈に見えます。
任務のためならば自分の命を懸けることさえいといません。
上下関係にも厳しく、先輩に対して遠慮なく意見するジョルノと
激しく対立する場面がたびたびありました。
主人公(ジョルノ)視点でみれば、「頑固だけれどもいざというとき頼りになる先輩」
といった印象でしょうか。
アバッキオの過去
今でこそギャングに身を落としていますが、アバッキオは高校卒業後、
「正義の心」を抱いて警官となっていました。
しかし、彼の抱いた正義の心はほどなくゆらぐことになります。
アバッキオが警官として命を懸けて守っている大衆が、警官の目をごまかして
犯罪に手を染めたり警官を疎んじているのです。
正義の心をもって警官となったアバッキオにとって、これは大きな「矛盾」でした。
やがてアバッキオもその「矛盾」に学ぶこととなります。
犯罪者から賄賂を受け取り、その犯罪を見逃してしまうのです。
しかし後日、アバッキオはその見逃した犯罪者と別の犯罪現場で遭遇してしまいます。
ここでこの犯罪者を捕えてしまうとアバッキオが賄賂を受け取ったことが
明るみに出てしまう・・・。
アバッキオのその一瞬の躊躇が悲劇を生みました。
アバッキオが逮捕をためらった一瞬で、犯罪者が撃った銃弾が
相棒の警官を貫きました。
アバッキオの未来はそこで終わりました。
「汚職警官」「相棒を死なせた男」、二つの罪を背負ったアバッキオは
やがて堕ちに堕ちてギャングの世界へと身をやつします。
アバッキオには既に生きがいだとか、心を動かすものは
もうなくなっていました。
ただ、「巨大で絶対的な者」が出す命令に従っているときは
何もかも忘れて安心して行動することができました。
すなわち、ギャング組織のボスが下す命令に盲目的に従っていることが
今のアバッキオのすべてだったのです。
そんな頑ななアバッキオの心を動かしたのは、チームの新入り
「ジョルノ・ジョバーナ」でした。
ジョルノの、絶対的な命令者に従っているわけではなく、
自分から発する強い意志をもった行動を見ているうちに、
アバッキオの心に微妙な変化が起きていたのです。
ブチャラティがボスを裏切って組織を離れると言いだしたとき、
アバッキオは正気の沙汰ではないと思いました。
絶対的な命令者に反逆しようなどとは、少し前のアバッキオには
想像もできなかった行動です。
しかし、
アバッキオはブチャラティのために組織を裏切る決心をしました。
絶対的な命令者の下す任務に従っていることが何よりも安心だったはずでしたが、
それよりも自分の心が落ち着く場所は、ブチャラティと一緒のときだと
気付いたからです。
これよりアバッキオは命令者のもとを離れ、自らの意志で歩き始めます。
アバッキオ、珍プレー好プレー集
頑固でとっつきにくい組織の先輩、しかし胸には誰よりも強く
正義の心を秘めている。
そんなアバッキオの珍プレー・好プレーをまとめてみました↓
まずは初登場時から。
ブチャラティが新入りのジョルノ・ジョバーナを連れて
アバッキオたちに紹介をします。
「おい、おまえら!このブチャラティが連れて来たんだ あいそよくしろよッ!」
アバッキオ、ブチャラティの言葉をききながら何やらティーポットに
注いでいるようですが…
…って、なにやってんだァァァァァァ!
なんとアバッキオ、自分の小便をティーポットに注いでます。
そして、いけしゃあしゃあと
「ジョルノ君だっけ?立ってるのも何だから座んなよ。お茶でも飲んで…」
とか言いつつカップに自分のソレを注いでジョルノにすすめます。
いきなりどエラい新人いびりです。
よくこんなこと思いつくなぁ、というか思いついても実行するなよ…
「どうした?おまえはオレがわざわざ注いでやったそれを
いただきますって言ったんだぜ。
いただきますって言ったからには飲んでもらおうか
それともヌルいから飲むのはイヤか?」
そして、しつこい!しつこいです、アバッキオ。
なんだこの粘着ドSっぷりは。
アバッキオのこの小便茶はファンの間では「アバ茶」と呼ばれ、
アバッキオの初登場のインパクトを象徴するアイテムとなっています。
アバッキオの名場面といえば?という問いがあれば、シリアスで感動的な場面を
さしおいて、この場面がまっさきに思い浮かぶファンも多いことでしょう。
そして、この場面。
ボスを裏切って逃走するブチャラティ一行。
ヴェネツィアでの昼食中に因縁をつけてきた一般人の男に対して
敵と勘違いしたナランチャとミスタが男をボコりにボコります。
アバッキオ、二人を止めることなくむしろ自分も加わって男をボコり始めます。
…いやいや、仮に逃走中の身なんだから騒ぎ起こしちゃまずいでしょ。
アバッキオも立場的に止める役だろ。便乗してどうすんのよ。
が、そこはアバッキオ。
さんざんボコったあとに「待て、ナランチャ」と止めます。
「こいつは敵ではないようだ… なんだおい…ただの罪のない一般人だぜこりゃ」
遅い!
遅い…けど、まぁ止めただけよし。
でもその後、
「そう、まあ…しょうがねーな ついでだ」
「こいつに皿の毒味させてから食おうぜ」
と、何の罪のない一般人をさんざんボコっておいて、
なんの「ついで」だか食事の毒味までさせる始末。
さすがアバさん!ナランチャやミスタにはできないようなことを
平然とやってのける!(アバ茶も含めて)
そこにしびれる!あこがれるゥ!!
あと、アバさんは意外とミーハーなところもあります。
ムーディー・ブルースのリプレイを利用して飛行機を飛ばす際、
目的地を入力するシステムのことを「映画の情報」で知っていました。
ナランチャから「映画の情報かよ…」と少し引かれてましたが、
情報ソースがどこであろうが、その知識がきちんと生かせれば
問題はありません。
飛行機についてのトリビアでさらに、「機内の気圧を調整しない限り
エンジンがかからないシステム」という情報を
今度は「テレビの情報」でアバさんばっちり知っていました。
またナランチャから「テレビかよ」とか言われてましたが。
珍プレーばかりなので、ここらで好プレーの方をば。
ブチャラティたち一行にとって必要なのは「ボスの情報」!
それを得るために、アバッキオの能力「ムーディー・ブルース」は
必要不可欠なのです。
15年前のサルディニア島の海岸にてトリッシュの母親の写真を撮影した人物。
その人物こそが、ボス本人のはず!
アバッキオはボスの正体に迫るため、15年前の「再生(リプレイ)」を開始します。
しかし、その行為はアバッキオに悲劇をもたらすのでした…。
真実に向かおうとする意志
ボスの正体を探るためのリプレイ日時を探っている最中、
アバッキオはボスによる攻撃を受けてしまいます。
一瞬でした。
アバッキオは何もなすすべなく一撃のもとに即死してしまいます。
そして、それはアバッキオが死の間際に見た白昼夢なのでしょうか。
アバッキオが一人で昼食をとっていると、割れたビンの破片から
指紋を採取しようとしている警官と出会います。
ビンの破片は粉々に飛び散っており、途方のない作業のように思えます。
アバッキオは個人的な好奇心から警官に質問をします。
「もし見つからなかったらどうするんだい?
指紋なんてとれないかも…
いや…それよりも見つけたとして
犯人がずる賢い弁護士とかつけて無罪になったとしたら
あんたはどう思って…そんな苦労をしょいこんでいるんだ?」
これはかつて、アバッキオが犯罪者から賄賂を受け取った場面を
思い出してのことでした。
アバッキオは賄賂を受け取る際、「どうせこいつらは逮捕しても
保釈金を払って出てくるだけ」という諦めがあり、
とても目の前の警官がやろうとしている途方のない作業が
身を結ぶようには思えませんでした。
ところが、警官はアバッキオの質問にこう答えます。
「そうだな…わたしは結果だけを求めてはいない
結果だけを求めていると人は近道をしたがるものだ…
近道した時、真実を見失うかもしれない
やる気もしだいに失せていく」
「大切なのは『真実に向かおうとする意志』だと思っている
向かおうとする意志さえあれば、たとえ今回は犯人が逃げたとしても
いつかはたどり着くだろう?向かっているわけだからな。違うかい?」
アバッキオは警官を眩しそうにみつめます。
かつては自分もそのような『意志』を抱いたことがありました。
でも、あの夜。
犯罪者から賄賂を受け取ったあの夜。
それが原因で相棒を死なせてしまったあの夜に、すべてをだめにしてしまった。
アバッキオは自分を何だって途中でやめてしまう「くだらない男」と評しました。
しかし、それを聞いた警官は
「そんな事はないよ、アバッキオ」
とアバッキオに声をかけます。
なんと、その警官はかつてアバッキオが死なせてしまった相棒でした。
「アバッキオ…おまえはりっぱにやったのだよ…
そう… わたしが誇りに思うくらいりっぱにね…」
アバッキオは、最後の力でボスの顔を仲間たちに伝えていたのでした。
朽ちゆくムーディー・ブルースの最後の力を使って、
真実へとつながる道をあとの者たちに遺していました。
アバッキオ、おまえはりっぱにやったのだ
そして、おまえの真実に『向かおうとする意志』は
あとの者たちが感じとってくれているさ
大切なのは…そこなんだからな…
アバッキオの死に顔は、何かをやり遂げた後のように安らかでした。
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